マウスに触らずにGoogle Chromeを操る(0) 前編 〜Chromeに触る、その前に「脱マウスと、それよりも大事なこと」〜

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「脱マウス」とは

ここでは「脱マウス」とは、パソコンの操作におけるマウス操作を減らして作業の高速化を図ることを指します。いわゆる「時短術」のひとつと思っていただいて結構です。

マウス操作は目で見たままで分かりやすい反面、冗長で時間のかかる操作が多くなります。これをキーボード中心の操作に置き換えよう、というのが脱マウスの基本的な考え方です。しかし、脱マウスすれば即座に仕事が速くなるわけではありません。人によって、向き不向きがあります。

「脱マウス」や「時短術」に向いている人、いない人

ある作業を終わらせるのに、複数のやり方があるとしましょう。その時、できれば楽をしながら早く終わる方法をとりたいですね。この意識を常に持ち続けて改善を繰り返すことができる人は、本当に時短に向いている人です。「今のやり方で作業はできたけど、もっといい方法がある気がする!」このような問を日常的に持って行動している人は、この記事を読まなくても既に時短術の達人かもしれません。

「できたー!時間がかかったけど、とにかく終わったからいいか!」とその場で満足してしまうタイプの人は、次に同じ作業が発生しても、また同じように時間がかかる方法をとるしか無いわけですね。あるいは日々の非効率な作業に対して、何の疑問も持たない人。問題意識がないと、解決策も生まれません。

つまり「ずる賢い怠け者」がいちばん上手に手早く仕事を切り上げるわけですね。具体的なパソコンの操作よりもまず、あなたが普段どうやって生活しているかの方が重要なんです。別の記事でも書きましたが、これはパソコンの問題ではなくて「生き方」の問題なのです。

脱マウスよりも重要なこと

はいはい精神論乙。では、もっと具体的な話をしましょう。

「時短術だとか脱マウスとか言う前に、これくらいはできないとね」という条件があります。なぜなら、この後お話するキーボードショートカットがせいぜい「操作が1〜2秒速くなる」テクニックの積み重ねであるのに対して、以下の条件は同じ仕事で1分とか1時間とか1日という単位の時間を節約しうる話だからです。桁が違うわけです。

  1. 何よりも、いちばん大事なことは「そもそも、その仕事やる必要あるの?」という意識を持っていることです。自分で仕事を増やしてませんか。もう既に世界の誰かが同じことを考えていて、その問題は解決済みで、ググってダウンロードすれば終わるんじゃないですか…。面倒な作業の前に、何回ググりましたか。本当にそれをしないといけませんか。
  2. 次に、タッチタイピングです。昔はブラインドタッチと呼ばれていました。つまり、手元をまったく見ずに(「まったく」見ずにですよ、ちらっとも見てはいけませんよ)、タイピング(打ち間違いや誤変換の修正も含む)ができること。
  3. それから、和文タイプで1分間に200文字程度は入力できる速度があること。腱鞘炎になっちゃったとか、身体的な制約がある場合を除き、この速度が出ないのであればChromeに触る前に、まずタッチタイピングの練習をしましょう。1日15分、ホームポジションから。

以上からお気づきかと思いますが、これらができる人というのはもう既に「かなり仕事が早そうな人」ですね。そういう人が、さらなる高みを目指して取り組むのが脱マウスであり、キーボードショートカットであると筆者は考えます。

逆に言えば、この条件に引っかかってしまった人にとっては、まずこの3つをクリアすることが最も効率的な時短術であると言えるでしょう。

それでは、この先に進める人は、一緒にキーボードショートカットによる脱マウスついて考えてみましょう。

脱マウスは可能か?

100%脱マウスをすることは不可能ではないでしょう。でも、そうするとむしろ逆に非効率なことも多くなるでしょう。逆に、100%マウスだけで操作するのも、考えるだけで嫌ですね。どんな問題を考えるときでも、バランス感覚が重要です。

すべてのマウスは悪なのか?

もちろん違います。「キーボードのホームポジションから手を離すこと」が諸悪の根源なのです。タイピングの姿勢から、肘を浮かせてマウスに手を伸ばす、その動作が無駄なのであって、別のデバイスを使っているのならば、必ずしも効率に問題があるとは言えません。

トラックポイント(Thinkpadで有名になったアレです)、トラックパッド(Macbook、Let’s Note等のキーボード一体型のもの)などは、指がホームポジションからずれてしまう時間的空間的非効率を最小限に留めてくれます。何よりも、肘の位置は変わりませんよね。一方、トラックボールはデバイスに手を伸ばす(肘を動かす)必要があり、かつ操作の習得に時間がかかると聞いているので、筆者は試したことがありません。

コンピュータを手足のように操りたい!

これからの議論は、そのトラックポイントやトラックパッドを触る手間と時間でさえ惜しい、というレベルの話です。「この操作、1日に何十回もやってるけど、もっと楽にできないもんかな」という疑問は、コンピュータを使う理由の原点ですよね。すべては楽をするためにあるべきですし、本来そうであったはずです。なぜコンピュータを使っているのに、面倒なことに時間と視力と集中力を費やしているのでしょうか。

そもそもキーボードは入力装置であって、問題解決のために、コンピュータに命令するための道具です。あなたが本当にやりたいことは問題解決であって、キーボードやマウスの操作ではありません。コンピュータへの命令は、あなたが頭で「考える」速度に限りなく近づいて欲しいわけです。

脳の一瞬のひらめきを、そのまま入力したいのに、えーと、このキーはどこだっけ、と意識を働かせて操作しているようでは到底、自分の思考速度に追いつけません。そうではなくて、「コンピュータを自分の手足のように使いたい」のです。このような目的意識とスピード感こそが、人々をショートカットへと駆り立てるのです。

さあ、あなたもめくるめくキーボードショートカットの世界へ!笑

キーボードショートカットにはレベルがある

例えば、Chromeだけでしか使えないショートカットもあるし、OS全体で共通して(他のアプリでも)使えるショートカットもあります。後者を特にグローバル・ホット・キー等と呼ぶことがあります。要するに、いつどこでも、このキーを押せば機能するという意味です。

グローバルホットキーは左手を前提に作られている

ここで例として、あの超有名なショートカットを考えましょう。z, x, c, vのキーを使ったアンドゥ、カット、コピー、ペーストは、明らかに左手で操作することを前提にキーが割り当てられています。これがいつからなのか、マウスの登場以前からなのかは分かりませんが、結果的に「右手でマウス、左手でキーボード」を操作することが多くなります。どんなにキーボードショートカットを極めても、必ずマウスを使います。その時に右手がマウスだけに集中できるよう、左手だけでできるキーボード操作を充実させるのが鉄則であり、長期的な戦略です。

これは既に決められたショートカットを使うときだけでなく、将来的に自分でショートカットをキーボード上に割り当てる際に非常に重要となる原則ですから、しっかりと覚えておいてください。テストに出ますぜ。

(つづく)

コメント

  1. […] 前回の記事をまだ読んでいない人は、ぜひそちらから読んでみて下さい。Chromeに触る前に知っておいたほうが良いことが、たくさんあります。 […]

  2. […] ウスだったりタッチペンの操作をしていることが多いので、左手だけで操作可能なキーボードショートカットを充実させていくのが定石であることは、以前の記事で既に述べた通りです。 […]

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