哺乳類の皆さんこんにちは。この記事は、授業でどのようにKahoot!等のクイズ系アプリを援用しながら、生徒の知識理解を強化させていくのかについて、ある生物の先生がKahoot!のマスタークラスでゲスト講演した内容を日本語でまとめたものです。とても簡単な考え方で、しかも色々応用が効くテクニックがいくつも含まれているので、ぜひ読んでみて下さい!
この記事の元ネタは、こちらのYouTubeビデオです。
「ブラインドKahoot!の構成と4つの質問」
「なんとかと賢者の石」みたいなタイトルにしてみました。では具体的な構成を見ていきましょう!
1. 導入問題
導入問題は、いまから何を学ぼうとしているのかを知らせるための質問です。例えば「リディアン・クロマティック・コンセプトを知っていますか?」というような質問になります。
もし関連する背景知識を生徒から引き出せるなら、それも効果的でしょう。
2. ブラインド問題
いよいよブラインド問題です。ここでは、生徒がほとんど何も知らないことについて質問するので、多くの場合、彼らは推測や当てずっぽうで答えることになります。
ここでは2段階の手順を踏みます。
- まずブラインド問題に回答させます。
- 難易度に応じて、ごく短い(せいぜい30秒程度の)コメントで、なぜ正解の選択肢が正しいのかを解説します。
3. 強化問題
強化問題は、生徒がたった今学んだことを応用して他の問題を解く機会を与えるためのものです。ですから、強化問題はブラインド問題の直後に配置することがとても重要です。
扱う内容に合わせて、ブラインド問題と強化問題を繰り返します。新しいトピックをいくつか紹介するためには、全部で20〜30問くらいになることもあるそうです。
4. 複合強化問題
複合強化問題は授業の終盤、いくつかの新しい概念やルールを学んだ後に配置し、生徒がそれまでに学んだ複数の異なる概念を使って問題を解決するようにお膳立てします。いわゆる応用問題ですね。
ブラインドKahoot!をうまくやるコツ
ビデオの中ではスキャフォールディング(理解の足場作り)と呼ばれていましたが、大きく分けて以下の3つの手法を戦略的に使っていきます。
上手くできた生徒に説明させる
「なぜその答えを選びましたか」「さっき学んだことをどのように適用しましたか」というような内容を口頭で聞きます。正解した生徒の説明は、まだよく理解できていない生徒を助けるのに役立ちます。
短い解説を質問の間に挟む
これは上記2のブラインド問題で書いた通りです。
脱落者がいないか、モニタリング
この先生のユーモアのセンスが出ていて面白いのがこのテクニックです。Kahoot!の選択肢の中に「いやまじで分からん」「頭が痛い」みたいな選択肢を入れておく、というものです。
実際にこの選択肢を選ぶ生徒が出てきたら、授業のペースを調節する必要がありそうです。
ゲームデザインの観点から
このマスタークラスの司会の人からコメントで、この授業の進め方は、まさにゲームデザイナーがどのようにゲームを進めるかと同じだ、と言っています。
- 物語と地の文を組み立てる
- プレイヤーが様々な箇所で成功を味わえるように導く
- チャレンジ(やりがいのある難問など)を与える
なぜ子どもたちがゲームに夢中になるかの根本的な理由を、明快に説明してもらった気がします。教師たちがこぞってゲームの面白さにあやかろうとしているわけですが、こういうことなんですね。
そして演習は続く。
この先生は、ブラインドKahoot!の後に演習課題をやっているようです。確かにKahoot!をやっただけでは新しい概念を理解しただけですから、今度はそれを使った演習が必要になりますね。
そしてもちろん、これはKahoot!社のビデオなのでブラインドKahoot!と名付けられていますが、別にブラインドQuizletでもブラインドQuizizzでも良いわけです。お好きなツールで試してみて下さいね。
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